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第二回分の講義録です。

とりあえず貼っただけで校正等まったくしておりません
○角道を止めて開ける2手の価値

前回は居飛車穴熊に対して、ツノ銀が健闘した局面を見ました
フラ盤(6/18blog)にてツノ銀対居飛車穴熊の参考棋譜をのせていますので、
棋譜を知りたい方はそちらをご参照ください。
前回の講座で紹介した手筋が満載です。
しかし居飛車側に自玉の堅さを生かして強気に来られると、ツノ銀側はなす術が
ないと言いました
まずは、その展開を見てみましょう
実戦譜では▲8二歩としましたが、これを△同飛と取ってはいけません(苦笑)
△8七歩と垂らすのが正解手
そしてこの角のぞきが機敏
こうなると中飛車の左金が完全にそっぽだし、居飛車側の角のニラミもキビしい
ので中飛車側さばけそうにありません
8二歩を打つところでは、もう中央に圧力をかける将棋ではないので、銀を引い
て辛抱します
今度こそ▲8二歩がきくでしょうか?桂跳ねには桂頭の歩を突きますが
この飛車角刺し違えが強気な一着
これでツノ銀側は困っています。
居飛車穴熊側のカウンターをくらってしまいました。
居飛車側の飛車筋逆襲は、ツノ銀の基本の攻め筋なのですが
飛車を呼び込む都合上、穴熊側は堅さにモノをいわせて、飛車を切って攻めてく
る恐れがあります

というわけで、居飛車の飛車のさばきを与えないように5筋から攻め込む順を考
えます
こちらの攻めのほうが中飛車らしいですね
飛角銀の3枚の攻めですが(本当は攻め駒は4枚あるのが理想)
5六の好位置の銀と4筋の歩の応援があれば何とか手になるかもしれません
穴熊が不安定な一瞬に期待をかけて攻め込みます
向こうもガッチリ角金銀で守っているところなので工夫がいります
定番の攻め筋は4筋を突き捨てて5五の合わせ歩です
ここで同歩としてくれれば、手順に銀が進んで△5四歩に▲4四歩で攻めがつな
がり、うまい話ですが
5筋を取り込んでも金で取られてしまい、攻めをいなされてそうです
ここで仮想局面として6五の歩が6七のままだったらどうなるでしょう?
ここで金を取る前にひと工夫
飛車が8五に転回できます
つまり中飛車側は2手かけて(角道を止めたあと、また開ける2手)わざわざ攻
め筋をツブしているわけです
それに相手が居飛車側が穴熊に組んだ現局面より、2手早く動けるのですから
角道を止めずに済むのなら、止めないほうがおトクです
6七に打ち込まれる心配もありません
スピード化が要求される現代将棋から取り残された感のあった中飛車でしたが
「角道を止めない」という2手分の速さを手に入れて、中飛車は復活を遂げるの
でした

○ゴキゲン中飛車登場

4手目に角道を止めることが、振り飛車の常識でしたが
いまやその常識は過去のものです
ここでゴキゲン中飛車の登場となります
おなじみの▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩の出だしです
ゴキゲン初心者の方のために目に付く手を解説します
角交換されて5三に角を打ち込まれる心配がありますが
大丈夫です。馬は作られません
2六の歩が突いてあるので成立する5四歩です

またこのあと▲2四歩と突いてくる手も気になります
ゴキゲンでは角頭は基本的に守りません
これにも反撃の筋があって大丈夫

5筋の位を取られまいと先手が▲5六歩と突けば、こちらが馬を作れます
以下は3筋の歩を伸ばして居飛車の右桂の活用を抑えれば模様勝ちが望めます

この戦法を指すときに心がけることがあります
位を取ってもこだわらない、角頭は守らない、中央から攻めれば何とかなる
これらを「ゴキゲン主義」と自分は呼んでいます
自分も初めてゴキゲンを使ったときは、こんなノーガードで大丈夫かと不安でし
たが
むしろ「守らないこと」が「守ることになる」のだということが分かりました
何やら禅問答みたいですが・・・
「位を取ったら位の確保」と教わってきましたが
ゴキゲンの場合「位はエサ」(by近藤六段)なのだそうです
居飛車がエサに釣られている間に、中飛車がひと仕事すればいいという考え方で

5筋の位の威力は1回目の講義で述べたとおりですが
居飛車の反撃にはあっさり位を放棄してさばきに出ることもあり、とても柔軟な
発想です
定跡の説明は後ほどしますが
ここで自分が、これぞまさしくゴキゲン流と印象に残る変化をやります
超急戦を避ける変化のひとつです
2筋の守りはほったらかして、玉を囲いに行きます
居飛車が2筋を突いてきたらどうなるのか?心もとない感じもします。でも大丈

どうですこのカウンター
守らないことが守っていることになっていると言った意味、お分かりいただけま
したか?
優劣は別にして、居飛車の指した手をここまで逆用できれば気分はゴキゲンです


○5手目を見て戦型選択

ゴキゲン側が後手の場合、居飛車側の5手目によって中飛車側の応対を決めます
主なパターンとしては

▲4八銀には△5五歩、一例ですが

前回講義しましたように、5筋の位は居飛車の駒の勢いを押さえ込む絶大な威力
を持ちます
居飛車側がこの5筋の位の安定を許すことは戦わずして負けることです
展開としては居飛車側は二枚の銀で5五の位の歩と
ゴキゲンの弱点である角頭を目標にして
陣地の中央を取り返しに行きます
個人的な見解ですが、後手で5筋の位を取るのは少々図々しい感じがしています
序盤の勝負手といったところでしょうか
普通に指すと後手は、先に5筋の位を取る手を指してしまったために、左側の金
銀の出足が遅いのです
棋王戦の第4局の佐藤vs.羽生戦を例に途中まで並べます
先手が飛車先の歩を2六で止めている点については後の回の講座で触れます
こちらのほうが居飛車の攻め筋が豊富ということなのです
ゴキゲン手も足も出ずにおさえこまれました
居飛車は5筋の位を許さないことがいかに大事か、感じ取っていただけたかと思
います

角頭を攻めてくる銀に対しては、守らずにさばければ言うことはありませんが
場合によっては1歩損しても角頭を守らない指し方もあります
横歩取りの将棋をのぞいて、普通は序盤の段階での1歩損は致命的なのですが
ゴキゲンの場合は1歩損でも駒をさばくことを重視します、これもまたひとつの
ゴキゲン主義です
中央を攻めているからこそ成り立つ考え方です

▲4八銀に△5五歩は絶対の手というわけではなく
△5二飛~△6二玉や△8八角成とする手もあります

お互いの角がニラみ合ったまま△3三角と上がる布陣も有力です
居飛車の飛車先を受ける意味合いというより
居飛車に角交換させて手順に左桂をさばきます
▲2四歩には中飛車側にもカウンターがあるので思ったよりうまくはいきません
角を交換してこなければ、左銀で角にヒモつけて
角のニラみを生かしてのびのび指すという発想です
角交換になると6筋の歩を突いていないことが、打ち込みのスキをなくして好都
合です
ヒラメ戦法のエッセンスが入っています
この指し方は友遊では空海さん好みの駒組み
プロでは阪口四段好み(いわゆるワンパク中飛車)の駒組みです

○超急戦

7手目▲5八金右には超急戦といわれる激しい変化があります
プロ的には超急戦を中飛車が回避するのは、ほんのわずかに損らしいのですが
これは私には分からない世界です。研究で勝負がつく戦型です
定跡のマニアックな追求はここではしない方針なので形だけサラっとやります
この▲5五桂が大事な手、これに△6二玉以外の手だと
▲3三角以下桂馬を王手でどかして8八の馬を素抜く順があります
これがあの佐藤新手
ここで▲6六香と打ってもいいのですが
この角打ちが羽生新手
王将戦第2局の久保八段の指し手。結果は羽生勝ち
そしてこれが棋王戦第3局で佐藤棋聖自ら佐藤新手の正しさを証明しに行ったと
きの手。結果はこれまた羽生勝ち。
これが棋王戦での進行です
△7四桂のあとは▲7四同角△同歩▲4五桂△4二王▲1二竜△5一王と王がく
るくると一回りする変化もありますね。
どちらの変化がいいのか難しいです・・・
マニアックになりそうなので、このへんにしておきます

自分は居飛車に2筋の歩を切らせて△3二金とあがるのをよくやります
その後の展開としては△3五歩と5筋と3筋の位を取って、ヒネリ飛車風の戦い
方をします
またさきほどやったように、5筋の位はとらずに△6二玉とあがる指し方もやり
ます

○ワクチン

▲2五歩△5二飛▲2二角成△同銀とする「丸山ワクチン」といわれる指し方も
有力で
猛威を振るうゴキゲンへの特効薬として現時点でプロ間でもっとも人気の戦型で

「角交換に5筋は突くな」という格言があります
この対策は5筋を早々と突いた後手の駒組みの不自由さに目をつけています
角をさばいたあと、先手は後手に5筋の歩交換を許さずに駒組みに移行します

この早い段階での端歩突きをはじめとした基本編については後の回で触れます

角を手持ちにしている関係上、5筋を突いてしまっている後手は駒組みに苦労し
ます
そして左金も先手の角の打ち込みに備えるため、玉に寄せることができません
そのため居飛車は振り飛車より堅く囲うことができます

この戦型は「争点がない」のが特徴で
争点のない状況でいかにポイントをかせぐかが大事です

後手から争点を求めに行くなら向かい飛車に転換です
プロ間ではこの展開が多くを占めます
中飛車らしく飛車を5一に引く手もあります
それでも結局は地下鉄飛車で5一~2一を自在に動くので
向かい飛車にしたのと似たような展開になることもあります

向かい飛車に転換するタイプの将棋だと、だいたいこの局面が基本図といえます
ここでの指し手の選択肢は
▲8六歩 ▲8八玉 ▲5六銀 ▲5八金右 ▲7七桂 ・・・と手が広い
対する後手の応対としては
△2四歩~△同銀の逆棒銀 △4四銀~△3三桂の中央志向、オプションとして
△2五桂の単騎の飛び蹴り
何が最善手か調べようと思ったら、このすべての組み合わせについて調べなけれ
ばなりません
歩をぶつける筋があまりないので、この戦型では歩の代わりに銀を繰り出してゆ
さぶりをかけます

そしてこの戦型は思わぬ方向へ発展しつつあります
昨年度のNHK杯の決勝をご覧になった方はいますか?
振り飛車側からわざわざ角交換して向かい飛車にします
普通、手損はよくないとしたものですが
角を自分から交換することで、銀が使いづらくなる利点を重視するのが後手の主
張です
これが中飛車かといわれたら、見かけ上は向かい飛車なので違うように見えます

「角交換型力戦振り飛車」という戦型のひとつの変化としてとらえることもでき
ます

近年の将棋は、藤井システムや一手損角換わりのようにセオリーに反するものが
増えました
ゴキゲンは「振り飛車には角交換(居飛車側の格言)」の真逆を行くものでした
「角交換に5筋を突くな」もそのうち「角交換に5筋を突け」になる日が、そう
遠くないうちにくると思います


2008.06.21 Sat l 木曜・集中・中飛車学概論 l COM(0) TB(0) l top ▲

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